こんにちは、ヨーダです。
「がんばるのが当たり前」と思って生きていると、ある瞬間から自分が“透明”になっていく感覚が出てきます。
周りの期待や役割を優先しているうちに、「本当はどうしたいのか」が分からなくなっていくからです。
日本では「努力は美徳」「我慢してこそ一人前」という価値観が根強くあります。
家族のため、職場のため、迷惑をかけないために、つい自分を後回しにしがちですよね。
その積み重ねが、知らないうちに心と体をすり減らしていきます。

最初に悲鳴をあげるのは、たいてい心と体です。
眠れない、朝起きるのがつらい、休みの日も仕事のことが頭から離れない。
好きだったことに手が伸びない。
そんなサインが続いたら、「もっとがんばれ」というアクセルではなく、「いったん止まってもいい」というブレーキが必要になります。
厚生労働省の調査でも、長時間労働が続くほど、疲労の蓄積度やストレスが高くなることが報告されています。(参考資料:厚生労働省 令和6年度過労死等防止対策白書)
WHO(世界保健機関)も、過重な業務量や長時間労働、休息の不足が心の不調につながるリスク要因だと指摘しています。(参考資料:世界保健機関 職場でのメンタルヘルス)
この記事では、「頑張らない勇気」をテーマに、力を抜きながらも自分らしさを取り戻していく考え方と、今日から試せる具体的なステップをまとめていきます。
▶あわせて読みたい:折れない心を育てる3つの力:定年後の人生をしなやかに生きるメンタル習慣
頑張らないことで取り戻せる3つのもの
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 心の余白が戻ると「選べる」ようになる
- 自分の声(本音)を再び感じられるようになる
- 小さな幸せに気づける感覚が育つ
頑張ること自体は悪いことではありません。
ただ、「常にフルスロットル」でいると、心のキャパシティはあっという間に埋まってしまいます。

いったん頑張る量をゆるめると、心に余白が生まれます。その余白が「選ぶ力」や「本音を感じる感覚」、「小さな幸せを受け取るセンサー」を少しずつ取り戻してくれます。
この章では、その3つの変化を順番に見ていきましょう。
心の余白が戻ると「選べる」ようになる
いつも全力で走っているとき、人は「選んでいるつもり」で、実はほとんど選べていません。
目の前の「やるべきこと」をこなすだけで精一杯になり、気づけば「断れない」「休めない」状態に追い込まれます。
少し頑張る量を下げてみると、まず「本当にやらなくてはいけないこと」と「習慣でやっているだけのこと」の違いが見えてきます。
家事や仕事でも、「毎日やらなくても困らないこと」「他の人に頼めること」が意外と多いと気づくはずです。
たとえば、次のように仕分けしてみます。
- 今日やらないと本当に困ること
- 週に数回で十分なこと
- いったん休んでも生活に支障が出ないこと

こうしてタスクを減らしたり、人に任せたりしていくと、心にほんの少し空きスペースが生まれます。
その余白ができると、「今日はここまでにしよう」「これは今週はやめておこう」と、自分で選ぶ感覚が戻ってきます。
選べる感覚は、小さなコントロール感につながります。
「自分で決めている」という感覚がストレスの総量を静かに下げてくれるからです。
頑張らないことは、単なるサボりではありません。
「自分で人生を選び直すためのスペースづくり」と考えてみてください。
▶関連:「やることが多すぎて苦しい」と感じるときは
やらないことリストで人生が変わる!メリット・デメリットと実践法 も参考になります。
自分の声(本音)を再び感じられるようになる
長く頑張り続けていると、「本当はどう思っているのか」「何を心地よいと感じるのか」が分からなくなっていきます。
常に周りを優先していると、自分の感情を後回しにするクセがついてしまうからです。
私自身も、サラリーマン時代は「任された仕事はやりきるのが当たり前」と思っていました。
休日もメールをチェックし、気づけば一年中どこか緊張しているような状態です。
「本当はもう少しゆっくりしたい」「別の働き方も試したい」と心のどこかで思いながら、その声を聞こえないふりをしていた時期がありました。

定年退職をきっかけに、意識的に「やめてもいいこと」を増やしたり、スケジュールを詰め込まない日を作ったりすると、少しずつ自分の心の声が戻ってきました。
たとえば、こんな小さな欲求です。
- 「今日は文章を書きたい気分だ」
- 「この本を読み返したいな」
- 「久しぶりにあの人に連絡してみようかな」
こうした小さな声に気づき、実際に行動してみることで、「これが自分にとっての心地よさなんだ」と再確認できました。
頑張らない勇気を持つことは、自分の声を再び拾い上げるための、大切な時間をつくる行為です。
焦りが出てきたときこそ、「今、心はなんて言っている?」と一度立ち止まってみてください。
▶関連記事:心の土台そのものを整えたいときは
大人の非認知能力とは|社会人が伸ばす方法と効果を徹底解説 もおすすめです。
小さな幸せに気づける感覚が育つ
常に「もっと」「まだ足りない」と自分を追い立てていると、目の前の小さな幸せに気づく余裕がなくなります。
仕事の成果、数字、人からの評価。
そうした“目に見えやすいもの”ばかりを追いかけていると、それ以外はノイズのように感じてしまいます。
頑張る力を少しゆるめると、日常の中にたくさんの「心地よい瞬間」があることに気づきやすくなります。
たとえば、こんな場面です。
- 朝の静かな時間に飲むコーヒーの香り
- 窓から差し込む柔らかい光
- 誰かと交わした、なんてことのない一言
- 帰り道にふと見上げた空の色
どれも大きなお金にはなりません。
けれど、心の栄養にはなります。

最初から劇的に感覚が変わるわけではありません。
それでも、心の余白が増えるほど、「あ、今ちょっと幸せだな」と感じる場面は確実に増えていきます。
その積み重ねが、人生全体の満足度を静かに押し上げてくれます。
頑張らないことは、決して成長を止める選択ではありません。
「幸せを感じるセンサーを再起動する選択」でもあるのだと思います。
なお、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」でも、長時間労働やストレスが心身の不調につながることが繰り返し取り上げられています。(参考資料:厚生労働省 こころの耳)
「頑張りすぎない」ことは、メンタルヘルスの観点からも大切なセルフケアです。
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「頑張らない勇気」を育てる3つのステップ
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- まず「やめてもいいこと」を書き出して認める
- 「できない日」を許可する(自分にOKを出す)
- 「ちょっとだけ頑張る」を上限にする(努力の上限設定)

「頑張らない」と言われても、いきなり力を抜くのは難しいものです。
「サボっているようで落ち着かない」「周りにどう思われるか不安」といった気持ちは、ごく自然な反応だと思います。
この章では、そんな不安を抱えたままでも少しずつ肩の力を抜いていけるように、
- 書き出す
- 許可する
- 上限を決める
という3つのステップで進めていきます。
どれも大きな決断ではなく、今日から試せる小さな行動です。
まず「やめてもいいこと」を書き出して認める

最初のステップは、「本当はやめても困らないこと」を可視化することです。頭の中だけで考えていると、すべてが重要に見えてしまいます。
紙に書き出すことで、タスクの優先度が自然と整理されていきます。
たとえば、次のような視点で書き出してみましょう。
- 「毎日じゃなくてもいい家事」
- 「惰性で参加している飲み会・集まり」
- 「なんとなく開いてしまうSNSやニュース」
- 「義務感だけで続けている習い事や勉強」
一つひとつ眺めながら、こう考えてみます。
- これは頻度を減らしても大丈夫そうか
- 思い切ってやめてもいいか
- 誰かにお願いできないか
ここで大事なのは、すぐにすべてをやめることではありません。
「やめてもいい候補」として認めることがポイントです。
そのうえで、
- 「今週はこの1つだけ、頻度を半分にしてみよう」
- 「この習慣は1週間だけお休みしてみよう」
と、小さな実験をしてみてください。
タスクを手放すほど、心の余白は戻りやすくなります。
書き出すことは、罪悪感を減らし、「手放してもいい」と自分に許可を出すための準備運動です。
「できない日」を許可する(自分にOKを出す)
次のステップは、「できない日があってもよい」と自分に許可を出すことです。
真面目な人ほど、「毎日続けないと意味がない」「一度休むと全部崩れる」と考えがちです。
その考え方が、結果的に自分を追い詰めてしまいます。

おすすめは、最初から「できない日」を前提にカレンダーを見直すことです。
たとえば、週に3日何かを頑張りたいなら、「4日は頑張らなくていい日」としてマルをつけておきます。実際にできなかった日は、「今日は予定どおり休めた」と受け止めるだけにして、自分を責めないようにします。
心理学の研究でも、完璧主義が強すぎると、途中で挫折しやすくなることが指摘されています。(参考資料:弘前大学研究、川崎医療福祉大学研究など)
一方で、「多少うまくいかなくても大丈夫」と考えられる人のほうが、長期的には行動を続けやすいという報告もあります。
完璧さではなく、「続けやすいゆるさ」を目指すこと。
それが結果として、自分を守ることにつながります。
「今日できなかった自分」も含めて認める練習を重ねることで、頑張らない勇気は少しずつ育っていきます。
「ちょっとだけ頑張る」を上限にする(努力の上限設定)

最後のステップは、「頑張る量の上限」を先に決めてしまうことです。多くの人は「限界まで頑張る」のがクセになっています。
その結果、疲れ切って何日も動けなくなり、「結局続かなかった」と落ち込んでしまいがちです。
たとえば、次のような「上限ルール」を自分に設定してみましょう。
- 仕事は〇時になったら自動的に終了する
- 家事は「今日やることを3つまで」に絞る
- 新しい挑戦は「1日30分だけ」「まずは1週間だけ」から始める
このようにルールを決めておくと、「もう少しできそう」と感じても、あえてやりすぎない練習になります。
その積み重ねが、「無理しないで続ける力」につながっていきます。
私自身も、ブログやFXなどに取り組むとき、「今日はここまで」と決めてパソコンの電源を落とすようにしています。
集中しているときほど続けたくなりますが、あえて余力を残すことで、翌日も自然と手が伸びました。
頑張りどころを「ちょっとだけ」に絞ること。
それは、長く続けるための工夫です。
頑張らない勇気とは、「やらない自分を許す」だけでなく、「やりすぎない自分を選ぶこと」でもあります。
力を抜いても崩れない“土台”をつくる暮らし方の工夫
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 人との境界線をひく(自分と他人の仕事をまぜない)
- 自分のペースを取り戻す「ゆるいリズム」のつくり方
- 「休む日」から先にスケジュールに入れる

一時的に頑張る量を減らしても、暮らし全体の土台が弱いままだと、ちょっとした出来事ですぐ振り回されてしまいます。
ここでは、日常の中に「力を抜いても崩れない土台」をつくるヒントをまとめます。
ポイントは、
- 人との境界線を意識すること
- 自分なりのリズムを育てること
- 休みを「最初に」確保すること
どれも特別な才能は必要ありません。
それでも、続けていくほど心の安定感が増していきます。
人との境界線をひく(自分と他人の仕事をまぜない)
頑張りすぎる人の多くは、「自分の仕事」と「他人の仕事」の境界線があいまいになりがちです。
本来は相手がやるべきことまで背負ってしまい、「断れない」「頼まれるとNOと言えない」状態になりやすいからです。

境界線を引く最初のステップは、「自分の責任」と「相手の責任」を頭の中で分けて整理することです。
たとえば、次のような視点で考えてみましょう。
- 自分がやらないと進まないこと
- 相手に任せても差し支えないこと
- 実はどちらでもよいこと(やってもやらなくても大きな影響がないこと)
こうして見ていくと、「自分が全部背負わなくてもよいこと」が少しずつ見えてきます。
そのうえで、こんな一言を使ってみるのも一つの方法です。
- 「今回はここまではやりますが、ここから先はお願いできますか?」
- 「この部分はお任せしても大丈夫でしょうか?」
こうして相手にボールを返す練習を重ねると、少しずつ境界線が明確になっていきます。
最初はぎこちなく感じるかもしれません。
けれど、自分のエネルギーを守るためには、「ここから先はあなたの仕事です」と線を引くことが欠かせません。
それが結果的に、お互いの自立をうながすことにもつながります。
▶人間関係そのものを見直したいときは:
【退職後の人間関係】断ち切る?距離を取る?心が軽くなる見直し方 も役に立ちます。
自分のペースを取り戻す「ゆるいリズム」のつくり方

頑張りすぎているとき、人はたいてい「他人のリズム」で動いています。
職場の都合、家族のスケジュール、世間の常識。
その中で調整するばかりになり、「自分のペース」がどこにあるのか分からなくなっていきます。
自分のリズムを取り戻すポイントは、「ゆるく」「繰り返せる」習慣を少しだけ増やすことです。
たとえば、次のようなものがあります。
- 朝起きたら、3分だけ深呼吸をする
- 1日の終わりに、今日よかったことを1つノートに書く
- 週に1回、自分の好きな場所でコーヒーを飲む時間を確保する
- 月に1度、「振り返りノート」を開いて、最近の気持ちを書き出す
どれも大きな時間はかかりません。
それでも、「これは自分のための時間」と意識して続けることで、自分軸のリズムが少しずつ戻ってきます。
大事なのは、これを“義務”にしないことです。
できない日があっても、「また明日から少しやろう」とゆるく構えるくらいでちょうどよいと思います。
こうした小さなリズムが積み重なると、「今日はここまでにしよう」「今は休む時間にしよう」と、自分でペース配分をしやすくなります。
それが結果として、頑張らない生き方の土台になっていきます。
※自分の心のリズムを見える形で振り返りたい人は、
日々の気分や出来事を記録できるAIメンタルアプリ
「Awarefy(アウェアファイ)」のようなツールを使うのも一つの方法です。
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▶ゆるい習慣づくりの具体例は
自宅でできるリラックス法決定版──7日で“業務モード脳”をオフにする、科学的リラックス習慣 で詳しく紹介しています。
「休む日」から先にスケジュールに入れる

多くの人は、「予定が埋まってから、空いたところで休もう」と考えます。
しかし現実には、スケジュールは簡単に埋まってしまい、休む時間はいつも後回しになりがちです。
その結果、疲れがピークに達してから「もう無理だ」と倒れ込むことになってしまいます。
そこで発想を逆にして、「休む日」「何もしない時間」から先に予定表に入れてしまう方法がおすすめです。
具体的には、次のようなイメージです。
- 月に〇日は「完全オフデー」と決めておく
- 週に一度は、予定を入れない“白紙の半日”をつくる
- 毎日、夜の〇時以降は「仕事もSNSも見ない時間」と決める
このように先に休みを確保しておくと、「この日は無理をしない」「ここまでは頑張ってもよい」とメリハリがつきやすくなります。
結果として、集中するときにはしっかり取り組める一方、体と心を回復させる時間も確保しやすくなります。
医療・公衆衛生の分野でも、睡眠不足や休息不足が続くと、心身の不調につながりやすいことが繰り返し報告されています。(参考資料:PMC)
だからこそ、「休むこと」を意識的にスケジュール化することは、自分の健康を守るための大切な投資です。
▶「ひとり時間」そのものを見直したいときは
孤独こそ最高の資源──“ひとり時間”を味方にする5つの習慣 もあわせてどうぞ。
まとめ:頑張らないことは弱さではなく、やさしさと強さを取り戻す選択
最後に、本記事のポイントを整理します。
- 頑張り続けると心の余白がなくなり、「選ぶ力」や本音を感じる感覚が弱くなっていきます。
- 頑張らない勇気とは、「やめてもいいこと」を認め、「できない日」を許し、「ちょっとだけ頑張る」上限を決めることから始まります。
- 人との境界線を引き、自分なりのゆるいリズムをつくり、休む日を先に確保することで、力を抜いても崩れない暮らしの土台が育ちます。
- 頑張らないことは、成長を止める選択ではなく、「小さな幸せに気づくセンサー」を取り戻す選択でもあります。
心と体のサインに耳を傾け、「今の自分を大切に扱う」姿勢が、長い目で見たときの強さにつながります。

頑張らない生き方は、「すべてを放り出して好き勝手に生きる」という意味ではありません。
むしろ、自分も周りも大切にするために、「どこまで頑張るか」「どこから休むか」を意識的に選び直す生き方です。
少しペースを落としても、人生は止まりません。
むしろ、速度を落としたからこそ見えてくる景色もあります。
ゆっくり進む人ほど、遠くまでたどり着けることも多いはずです。
今日は、何を「頑張らない」と決めてみますか。
そして、その代わりにどんな小さなやさしさを、自分に向けてあげられそうでしょうか。
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【参考資料・情報源】
本文で述べた内容の背景として、以下のような公的情報や研究を参考にしています。
- 厚生労働省「こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)」こころの耳
- 厚生労働省「過重労働対策について」「過労死等防止対策白書」などの関連資料こころの耳 厚生労働省
- WHO(世界保健機関)“Mental health at work” ファクトシート(職場のメンタルヘルスとストレス要因について)世界保健機関
- 職場ストレスや長時間労働と心身の健康リスクに関する国際的な研究世界保健機関
- 完璧主義・レジリエンスと心理的ストレスの関係を扱った心理学・ポジティブ心理学の研究論文Psychology Journal

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